まず当院の方法をまとめてみました。
一見すると、ハイテク機器の使用が目に付きます。しかし機械を使えばよいというものではありません。
豊富な症例に基づいた、熟練した「テクニック」
がそこに加わることによって、より優れた効果が得られるのです。
それでは以降、くわしく解説していきます。
手術は最初に局所麻酔から始まります。
北村クリニックでは、この麻酔にも非常に力を入れています。まず麻酔の最先端を行くアメリカで生まれたカリフォルニア式局所麻酔に、私が改良・改善を加えた麻酔を使用します。これによって負担を感じることなく手術ができるのです。
ちなみに、手術といっても、ワキの下の皮膚に小さな穴を開けるだけですから全身麻酔の必要はありません。また「麻酔注射の痛みも我慢できない」という患者さんには、麻酔注射のための「極低温ガス麻酔」という麻酔もあります。これは麻酔注射を打つ部分に、特殊なガスを吹き付けて瞬間的に皮膚の温度を低温にし、感覚を鈍くすることで注射の痛みを感じないようにする方法です。
さらに原則として、点滴からの
「リラックス麻酔」
を組み合わせた、当院独自の
「4段階無痛麻酔システム」
により、安心して治療を受けていただきます。
そして、汗腺を分離させ、破壊する層をまるで豆腐のように軟らかくしておきます。
麻酔が完全に効いてきたら、先端の尖った器具で皮膚に数ミリ程度の小さな穴を開け、その穴から特殊な器具を挿入していきます。この器具の先端は丸みを帯びたものですから、皮膚を傷つけることはありません。また皮膚と汗腺は、この時すでに麻酔と同時に行った「ハイドロダイゼクション」によって完全に分離され、手術が行いやすくなっています。その状態を利用して、先端の丸い器具を使って汗腺を徹底的に破壊していきます。
汗腺を破壊する時に、北村クリニックが使用しているのは
「ソノテック-4」
というハイテク機器です。これは、汗腺類の破壊効果をアップさせるために、最大振幅350マイクロメートルの強力な破壊力と、優れた操作性を発揮するハイテク超音波手術器です。
この「ソノテック-4」は、簡単に言えば、超音波を発信させる機器です。破壊する部分の周波数と破壊してはならない血管や神経といった部分の周波数の違いをはっきり見分け、汗腺だけを破壊することができます。これによって、汗腺以外の組織にはまったく影響を及ぼさずに、治療を完了することができるようになりました。これこそ北村クリニック独自の方法なのです。
また「ソノテック-4」の超音波を発振する部分は、新しい方式を取り入れることで、堅さが異なる組織に対しても安定した出力を発揮します。「ソノテック-4」によって破壊された汗腺は、吸引器で吸引するのですが、この吸引の際にも、連続吸引、間欠吸引というように、患者さんの状態に合わせて微妙で繊細な操作が可能です。その結果、
負担なく確実
に手術ができるわけです。
「ソノテック-4」の機能をもう少し詳しく説明しましょう。この超音波手術器の振動部分は、1秒間に2万5000回から3万4000回という高速の伸縮運動を手術部分に伝達しています。その振動エネルギーによって、弱い部分の組織が見事に破壊されて吸引されていきます。一方、弾力性に富む血管や神経組織などは共振を起こすため、破壊されたり傷つけたりすることはないのです。この「ソノテック-4」導入によって、より
確実に、そして完璧なワキガ・多汗症治療
を行えるようになりました。
「レーザー(LASER)」とは、light amplification by stimulated emission of radiationの略で、自然に発生する光でなく「ある方向へ人工的に導き出された光」ということです。そして、一方向に高いエネルギーを発生します。
アメリカFDA公認の
「最新レーザー機器」
の作用で、皮下組織が柔らかくなり、以後の操作がしやすくなり、手術時間の短縮にもつながります。また、出血の予防にもなり、術後の回復も早いという報告もされています。
レーザーと超音波の併用により、さらに確実な治療を行えるようになりました。
もちろん、こうしたハイテク機器を導入しただけでは、満足な手術は行えません。経験に裏付けられた技術が、どうしても必要なのです。患者さん一人ひとりの年齢や皮膚の状態などに合わせて、超音波やレーザーの出力を微妙に調節しなければなりません。この
繊細かつ確かな技術力は豊富な手術経験によって培われるもの
ですし、また私達の持つ「職人的なセンスとカン」も大きなポイントになっていると自負しています。例えていいますと、オーダーメイドのドレスを手作りしているようなイメージで治療が行われるのです。
破壊された汗腺は、きれいに取り除かなくてはなりません。「ハイドロダイゼクション」と「ソノテック-4」によって、完全に破壊され、ある程度の吸引が行われたあとは、さらに本格的な吸引作業にとりかかることになります。
この段階での吸引は、カニューレという金属性の細い管を、初めに皮膚に開けた穴から挿入して行います。
このカニューレには小さな穴が開いており、そこから汗腺類を吸引するのです。
カニューレは従来からある器具ですが、私はこのカニューレの性能に納得できなかったため、穴の角度や大きさを変えて何度も作り直し、苦労の末にもっとも吸引しやすいものに改良しました。それが北村式独自のカニューレです。
また、吸引機についてみると、一般外科で使用するものでは力が弱すぎます。(約50Torr)。この出力では、迅速かつ完璧に汗腺を取り去るには不適当だと判断したため、さらに強い吸引力(100Torr)を持つものをオーダーし、それを使用しています。北村式の場合は、
通常の2倍以上の力で吸い取る
ことが可能ですから、迅速かつ完璧に汗腺類を吸引することができるのです。
さらに残った汗腺を高周波
「デジタル・エレクトロ・コアグレーター(DEC)」
を用いて分解します。このDECとは、高密度の高周波シグナルを利用して、組織を瞬間蒸発させる新テクノロジーなのです。
この方法の優れた点はいくつもありますが、特筆すべきメリットは、
・メスやハサミのように組織を傷つけることがない。
・ミクロ単位の精密な結果が約束される。
という2つです。
この高周波器は、3.8メガヘルツ×140ワットという、高密度で微妙な高周波電流を細胞に作用させます。それによって残った汗腺の細胞を瞬間的に除去できるわけです。
この機器から発生する高周波は、メスやハサミのように細胞を傷つけることはまずありません。また、
ミクロ単位の精密な結果が期待でき、細菌などの感染を予防
できるメリットもあるのです。
「ソノテック-4」を使って超音波によって破壊し、その上でDECという高周波器によって分解することで、それまでどんなに努力しても80%しか除去できなかった汗腺が、一気に98%まで除去できるようになりました。これは画期的な進歩です。それまでは、「まだ微かに臭う」というレベルでしたが、これで「臭いや汗が全く気にならない」というレベルになったのです。
超音波による破壊、北村式カニューレによる強引な吸引、高周波による分解という3つの段階を経て、汗腺は徹底的に除去することができました。北村クリニックでは、最後の仕上げとして、完全に汗腺類が除去できているかどうかの確認をします。
確認のためには、もうひとつの新テクノロジーである
ファイバー・スコープ
を使います。
このファイバー・スコープは、アメリカで開発されたもので、今までのものとは異なり、HILUXランプとHYPER・HAD・CCDを使用しているため、高品質の解像度と安定したイルミネーションが得られます。
このファイバー・スコープを、ワキの下の小さな穴から挿入し、汗腺がきれいに処理できたかどうかを目で見て確認します。もし汗腺が残っていた場合は、再度、高周波で分解します。ファイバー・スコープという新テクノロジーの導入によって、今まで見られなかった奥の奥の部分まで処理することが可能になったため、より確実な効果が期待できるようになりました。
現在のワキガ・多汗症の手術では、先に丸みを帯びた器具を使って、汗腺のある皮下の浅い部分だけ汗腺の破壊・吸引・分解を行います。重要な血管や神経は、皮下のさらに深い部分にありますから、大事な神経を傷つけて大量の出血をしたり、腕の動きがスムーズでなくなるなどの心配はまずありません。しかも、手術は1時間という短時間で済んでしまいます。
ですから、
入院や通院をする必要は原則ありません。
手術後はすぐに普通の生活を送ることができるのです。
かつては、入院のために長期休暇を取った上に、退院後も会社を遅刻・早退しながら、毎日通院したりする必要がありました。そのためワキガに悩みながらも、手術に躊躇する人が多かったようです。しかし、もうその心配はいりません。手術後はワキの下にガーゼを3日間つけているだけでOKです。激しい運動は1ヵ月ほど控えて、2週間程は腕の動かし方に気をつけていただきますが、日常生活や仕事にあまり支障はありません。シャワーも当日から浴びることができます。この「超音波式トリプルメリット法」ならば
忙しい現代人にもピッタリ
だと思います。